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朝日01/23 21:47 ◇ヒトの胚から臓器つくる研究認める法案、英上院が可決◇

1.キイワード；ヒトの胚
2.関係者；英国
3.概要；英国上院は２２日、クローン技術を利用してヒトの胚（はい）から臓器や組織をつくる研究を認める法案を可決した。法案は下院を通過しており、近く成立する運びになった。認めるのは、クローン技術を利用して育成した受精後１４日以内のヒトの胚から移植用の臓器や組織をつくる研究。政府機関による監督を義務づける条件がついている。パーキンソン病など難病治療に道を開くと期待されている。ヒトの個体複製（クローン人間）の研究は認めない。上院では英国国教会やカトリックなど宗教関係者の議員を中心に、「ヒト複製への第一歩になりかねない倫理的問題があり、もっと論議を尽くすべきだ」と慎重論が強かった。賛成派は「研究の遅れは難病患者をかえって苦しませる」と反論。クローン胚研究のあり方を討議する特別委員会を上院に設けることで合意し、法案を可決した。[2001-01-23-21:47]

読売 01/23 21:05 クローン技術、人へ応用認める
　【ロンドン２３日＝渡辺覚】人の複製（クローン）作りにつながらない医療研究に限って、クローン技術の人間への応用を認める世界初の法案が二十二日夜（日本時間二十三日午前）、英議会上院で採決され、賛成二百十二票、反対九十二票で可決、成立した。三十一日から施行される。これにより特定の人の細胞から、その人に合わせた拒絶反応のない臓器や組織の細胞を作る研究が可能になり、これを病気の臓器や組織に移植する治療が実現すると期待がかかる。具体的には、人の体細胞から、クローン技術を使って、生命の始まりの状態である胚（はい）を作ることを認め、この胚から、人体のどんな細胞にもなり得る万能細胞（ＥＳ細胞、胚性幹細胞）を分離し、培養する研究を解禁する。
　個別の研究テーマは、国が審査して許可する。英国はこれまで、クローン人間作りのほか、こうした研究をヒト受精・胚研究法で禁じていた。だが、応用可能性をにらんで、倫理的に問題のない範囲で緩和を求める声も強く、政府は昨秋、この日採決された改正案を提出していた。◇日本は現在、こうした分野の研究に関する法律や指針を整備中。クローン人間の作製を禁止する法律は昨年十一月に成立、英国のような応用研究も、今年六月までに作る同法の指針で規制する見通しだ。[2001-01-23-21:05]