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朝日04/25 13:00 ◇「無断で秘話を暴露」　元芸妓が米で著者らを訴える◇
　世界的なベストセラー「メモワール・オブ・ゲイシャ」のモデルになった元芸妓（げいぎ）が２４日、著者や米出版社に損害賠償を求める訴訟をニューヨークの米連邦地裁に起こした。「芸者ブーム」を欧米に起こした本だが、「匿名のつもりで明かした秘話が暴露された」と訴えて出た。
　原告は京都・祇園の芸妓だった女性。訴えによると、著者アーサー・ゴールデン氏とは９２年春に日本で知り合い、１００時間を超える取材に応じた。花柳界のしきたりや実体験を詳しく説明したが、実名を出さないこと、家族を悪く書かないことを条件にした。
　しかし著者は、謝辞の欄に本名を出したほか、「モデル女性は漁村の実家から芸妓置屋に売られ、記録的な高額で水揚げされた」などと米メディアに繰り返し語った。そのせいで自分がモデルだったことがわかってしまったという。
　請求額は明示していないが、ロイター通信は、契約違反、著作権侵害、中傷などを主張して、１０万ドル（約１２００万円）相当を請求する見通しと報じている。
　祇園一の売れっ子だった芸妓さゆりが米国に移住し、往事を回想するという長編小説。９７年に出版され、全米で４００万部を超えた。ドイツやスペインなど二十数カ国で翻訳された。邦訳「さゆり」が文芸春秋から出版されている。2001-04-25-13:00]