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朝日04/28 14:17 ◇虎の門病院、基準超す放射線誤照射◇
　東京都港区の虎の門病院で喉頭（こうとう）がんなどの治療の際、患者２３人に本来の線量を上回る放射線をあてる事故が起きていたことが分かった。９８年に照射線量を計算する数値の入力を間違えたらしく、昨年末まで気づかなかったという。現在も７人がのどの炎症などの治療を受けている。同病院は事故再発防止策をまとめ、都に報告した。
　同病院によると、２３人への治療は９９年７月から昨年３月にかけて。がんに放射線が均等にあたるよう調整できる医療装具を患者につけてＸ線治療をした。
　しかし、照射線量を自動計算するもとになる数値がコンピューターに誤って入力されていたため、本来あてるはずだった線量の１．３５倍が照射された。２３人の大半は６０代以上。
　このうち、照射期間が６週間以上と長期間にわたった患者は、のどの粘膜が炎症を起こしたり、壊死（えし）に近い状態になったりしていた。現在も３人が入院し、４人が外来で通院している。
　入力ミスがわかったのは昨年１２月。乳がん患者の放射線治療の前、計算された線量が異常に高いことに技師が気づいた。過去の治療例を調査、２３人が特定されたという。
　同病院は９８年７月に新式のＸ線治療装置を導入し、旧式とともに使用。医療装具を用いて照射線量を４段階に切り替えて治療している。このうちの１つで新式と旧式の数値を混同して入力していたらしい。
　同病院は、事故の原因と再発防止策を文書でまとめ、３月末に都に報告したほか、患者に事故があったことを説明した。今後、補償などをするという。
[2001-04-28-14:17]