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毎日02/22 20:20 ＜細胞レーザー＞遺伝子を植物の細胞内注入に成功　阪大大学院
　大阪大大学院工学研究科の小林昭雄教授（細胞工学）は２２日、レーザーを使って植物の細胞を取り巻く細胞壁に穴を開け、遺伝子を細胞内に注入することに成功したと発表した。植物の品種改良に役立つ技術で、数年後の実用化を目指している。
　小林教授を中心とする研究グループは、半導体の基板を加工するレーザーを利用。細胞の中まで傷つけないよう、出力を従来の約１０分の１に落とし、５�ﾆ秒間（１ナノ秒は１０億分の１秒）だけ発光させた。その結果、タマネギの細胞の中身を傷つけず、表面の細胞壁（厚さ約０・１マイクロメートル）に約１０マイクロメートル四方の穴を開けることができた。
　さらに、この穴に極細の注射針を通し、クラゲの発光に関係する遺伝子を注入したところ、遺伝子が正常に働いてタマネギの細胞が光り出した。細胞壁の穴は自然に修復され、２４時間後にはふさがったという。
　細胞に遺伝子を注入する技術には、特殊な空気銃のようなもので直接遺伝子を撃ち込む方法などがあるが、小林教授は「銃で撃ち込む方法より確実で、３〜４倍多くの量の遺伝子を注入することができる。国内での品種改良や植物の遺伝の研究に役立つ」と話している。　【関野　正】
[2001-02-22-20:20]