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毎日03/01 21:10 ＜遺伝子治療＞前立腺がんの患者に実施　今月下旬にも
　岡山大病院（岡山市）の遺伝子治療臨床研究審査委員会（委員長、辻孝夫・第１内科教授）は１日、国内初の前立腺（せん）がんの遺伝子治療を九州地方の６５歳の男性患者に行うことで承認した。今月下旬にも実施する。
　治療を行うのは同大学医学部泌尿器科（公文裕巳教授）。男性は１９９８年に発症。ホルモン療法を受けていたが、９９年９月には治療効果がみられなくなっていた。
　治療計画によると、特殊な酵素を作り出す遺伝子を、無害化したかぜウイルスに組み込んで、前立腺のがん病巣に直接注射。その翌日から２週間にわたって抗ウイルス剤を投与すると、体内で作り出された特殊な酵素の働きによって抗ウイルス剤の構造が変化し、がん細胞を自滅に導くという仕組み。同病院は２００３年６月までに１２〜１８人に治療をし、安全性と効果を調べる予定。
　共同研究施設として、既に治療を始めている米国ベイラー医科大では、昨年１２月までに５２人に同様の治療を実施し、約半数の患者のがん進行が抑制されたという。　【出水　奈美】
[2001-03-01-21:10]