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毎日03/04 03:04 チンパンジー遺伝子研究で“人の知性”解明へ
　人間とチンパンジーの遺伝子の違いを分析することで、チンパンジーにはない人間の「知性の遺伝子」を突き止めようというユニークな試みに、理化学研究所、国立遺伝学研究所などが世界で初めて挑む。十四日から、東京で国際ワークショップ「遺伝子と心をつなぐ第一歩」を開き、計画を本格的に始動する。
　両者の遺伝子は９８・４％が同じとされており、人間特有の論理、思考といった特徴を生み出す約１％の違いを探るのが狙い。
　ワークショップには、遺伝情報や脳科学、霊長類学の専門家ら約百五十人が参加。チンパンジーゲノム解読の今後の進め方や両者の脳機能の違いなどを議論し、どのように国際協力を進めるかも検討する。
　人間の全遺伝情報（ヒトゲノム）の概要は先月、科学誌に報告された。チンパンジーのゲノム解読で見つかる違いが実際の学習能力や行動にどうかかわっているかを突き止めるために、遺伝子研究だけでなく、脳科学など多彩な分野の研究者が参加することになった。
　チンパンジーのゲノム解読を巡っては昨年八月、ノーベル賞受賞者ら二十人以上が連名で、その重要性を訴える声明を米科学誌に出すなど注目を集めている。理研の榊佳之プロジェクトディレクターは「これまで後手に回ってきた日本のゲノム研究だが、チンパンジーゲノムではリーダーシップを発揮していきたい」と話している。

[2001-03-04-03:04]