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毎日03/30 02:20 ＜成長遺伝子＞シロイヌナズナから突き止める　奈良県の大学
　奈良県生駒市にある奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科の田坂昌生教授らのグループは２９日、植物の成長に欠かせない遺伝子をシロイヌナズナ（アブラナ科）から突き止めた、と発表した。発見した遺伝子を田坂教授らは「ＣＵＣ１（クック・ワン）」と命名、シロイヌナズナの遺伝子にＣＵＣ１を組み込むことで、葉の上に新たな葉や茎、花を発生させることにも成功した。ＣＵＣ１の操作による新たな個体の再生は、植物を増殖させる可能性を示しており、食糧増産に応用できると期待されている。
　ＣＵＣ１は、葉や茎を生み出す芽の先端にある成長点の細胞分裂を促す遺伝子。正常に成長するシロイヌナズナと、発芽しても枯れてしまうシロイヌナズナを比べ、ＣＵＣ　１の存在を確認した。さらに、ＣＵＣ１をシロイヌナズナの遺伝子に組み込んだところ、葉の上に新たに成長点が出現し、新しい葉や茎、花が生えてきた。研究の成果は、英科学誌「ディベロップメント」４月号に発表する。　東京大学大学院生物科学研究科の福田裕穂教授は「植物の成長のカギを握る遺伝子の発見で高く評価できる。絶滅の危機にある植物の増殖にも役立てられるのではないか」と話している。　【神谷　素生】[2001-03-30-02:20]