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読売03/09 20:55 ローマで初の「クローン人間」国際会議開く
　【ローマ９日＝館林牧子】不妊治療のためにクローン人間を作ると宣言していた米ケンタッキー大のパナイオティス・ザボス教授と、イタリア・ローマの不妊治療医セベリノ・アンティノーリ医師たちが九日、ローマ大学病院で、欧米などからの医師や研究者による初の国際会議を開いた。
　アンティノーリ医師は会議で、「今までの生殖医療でも、最初は『受け入れ難い』との批判があった。しかし、結局は、定着してきた。クローン技術は、どうしても子どもが持てない人の最後のフロンティア」などと強調し、患者を救う意義を強調した。
　会場となった同病院講堂は、百人を超える日米欧など世界各国の報道関係者が詰めかけて騒然とした雰囲気。アンティノーリ医師が有料で行うとしていた会議冒頭の記者会見も、急きょ中止になった。同医師が批判的な報道を嫌ったとみられ、会場に入るところを撮影するカメラにも、ぶ然とした表情だった。
　講演でも、会場、特に報道陣をにらむように、クローン技術の有用性を説いた。オーストリアから参加したＷ・フェイヒティンガー・ウィーン大教授も「生殖をコントロールするのは人間の宿命」などと述べ、否定的報道に苦言。アンティノーリ医師を援護した。
　会場には、クローン羊ドリーの誕生後に世界で初めてクローン人間作りを宣言した米国のリチャード・シード博士も顔を見せた。一九八一年にスイスのバーゼル免疫研究所で世界で初めてクローンマウスを作ったと発表、その後、この実験はねつ造との疑いが出て表舞台から姿を消していたカール・イルメンゼー博士も登壇、クローン技術の基礎を紹介した。
[2001-03-09-20:55]